
みなさま、こんにちは!
薬膳八百屋です。
今回は二十四節気「夏至(げし)」。
二十四節気をご存じない方でもこの日は広く知られているのではないでしょうか。
「陽が出ている時間が一年で一番長い」という日です。
東洋医学では「陽極まる(ようきわまる)」などど表現したりもします。
それでは夏至の養生法をみてまいりましょう!
この記事の目次
夏至の養生法「水分代謝をあげる」
前回「芒種」の養生法でも「水分代謝をあげる」ことをお伝えしました。
今回も引き続き水分代謝を上げていきたいと思います。
梅雨はすぐそこですので、いろいろな食材や生薬を知って活用してまいりましょう。
水分の停滞がもたらす体の不調については前回のブログを読んでいただくことにして、
この回では先ほど登場した「陽極まる」について触れていきたいと思います。
「陽極まる」とは?
ここでの「陽」とは「陰陽」の陽の部分を指します。
東洋医学を学んでいるとこんな図をみたことがあるかもしれません。
この図に昼と夜の長さが同じである「春分」「秋分」を当てはめてみると、
このようになります。さらにここに今回の「夏至」、昼が一番短い「冬至」を当てはめると、
このようになります。これらのちょうど間の季節が、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」です。
この区分をさらに三等分ずつしたものが「二十四節気」です。
さて、「夏至」の部分を見てみると白色で示した「陽」の部分が大きく盛り上がっています。
そしてそこから時計回りに見ていくと季節が秋に向かっていきます。
図では灰色で示した「陰」の部分が夏至を境に少しずつ増えていきます(夜の時間が徐々に長くなっていきます)。
このことから「夏至」は「陽極まる」と表現できることがわかります。
このように、陰陽図に照らしながら二十四節気を少し意識してみることで日頃の養生の助けにもなるのではないでしょうか。
この新聞を通じてそのお手伝いができたら、と願っています。
水分代謝をあげる飲み物は?
前回は水分代謝をあげる食材についてご紹介しましたので、今回は飲み物をご紹介しようと思います。
烏龍茶、紅茶、コーヒー、ココア、ハイビスカス、とうもろこし茶、プーアール茶、緑茶、ローズヒップなど。
今回は「とうもろこし」にスポットをあて、ご紹介してまいります。
とうもろこしの薬膳的な効能
とうもろこしの薬膳的な効能は「お腹の調子を整え、利尿させる」ことです。
結果、むくみや高血圧、尿路結石にも良いとされています。
とうもろこしの性味
性味(せいみ)」とは「からだに及ぼす作用」のことで、とうもろこしは「平 / 甘」。
体を温めたり冷ましたりなどの温度変化の作用は小さく、補ってくれる食材です。
国によっては主食とされているとうもろこしですが、米など他のイネ科の植物と比べるとビタミンが豊富です。
特に粒の付け根にある胚芽部分に多く含まれます。
これは「発芽玄米」にも同じことが言えますね。
おいしいとうもろこしの選び方は?
選び方のポイントは①皮②ヒゲ③粒の大きさの3つです。
①皮は鮮やかな緑色でハリのあるもの
②ヒゲは褐色で量が多いものほど、熟れていて粒が多い
③皮なしの場合、粒が大きく揃っているものが良品
以上の3点をポイントとして選んでみてください。
とうもろこしが長持ちする保存方法は?
一人暮らしやトッピングなどで少量で使いたい場合はどうしても余りがち。
長持ちする方法を知っておきましょう。
【冷蔵保存の場合】
利尿効果のあるとうもろこしですが、とうもろこし自身は乾燥が大の苦手。
冷蔵庫で保存する場合は湿らせたキッチンペーパーかラップでくるみ、切り口を下にした状態で、
ドアポケットなどに立てて保存しましょう。
皮付きのものは皮ごと包んでいただくと、さらに乾燥を防ぐことができます。
【冷凍保存の場合】
冷蔵保存と同様、ラップに包んで保存は可能ですが、加熱してから冷凍した方が後から使うときに便利です。
①茹でたり蒸したり、電子レンジで加熱したのち、冷ましたとうもろこしを輪切りにするか、実を外します。
②冷凍用保存袋に入れ、冷凍します。
とうもろこしのオススメの調理方法は?
スープにしても、お米と一緒に炊いても、サラダでも、なんでもおいしいとうもろこし。
今回は「フライパンでできる焼きとうもろこし」をご紹介します。
①皮と髭を取ったとうもろこしをラップで包み電子レンジで加熱します。
②芯を少し残したまま板状にカットし、小麦粉(もしくは米粉)をまぶします。
③フライパンにバター(あるいは米油)を熱し、実を下にして焼き色がつくまで焼きます。
④焼き色がついたら、醤油・砂糖・酒・みりんなどを好きな味加減で混ぜたものを加え、全体に絡めて火を止めます。
素材のこだわる方にオススメなのが「弓削田の有機しょうゆ」。
たくさんお問い合わせいただき、この春に小さいサイズを仕入れました。
数量限定ですので、お早めにどうぞ!!
水分代謝をあげる生薬「南蛮毛(なんばんもう)」
日本では安土桃山時代にポルトガルの宣教師から伝えられ、現在では北海道を中心に栽培されているとうもろこし。
医療の現場では水分代謝をあげる生薬としてヒゲの部分(南蛮毛)を用いるだけでなく、果実由来のコーン油は軟膏の基礎剤や注射溶剤として、デンプンであるコーンスターチは薬剤の賦形剤として、余すところなく利用されています。
南蛮毛の性味・効能
【性味】甘 / 平
【効能】利水・消腫・通乳(不要な水分を尿として出し、むくみを消し、母乳を通じさせる)
南蛮毛の基原植物
熱帯アメリカ原産のイネ科のとうもろこしの雌花の長い花柱。ヒゲ。
別名コーンシルクとも呼ばれていますね。
南蛮毛の漢方的な使い方
南アメリカ原産のためか漢方ではあまり用いられてきませんでしたが、近年の中国ではその効果が注目を浴び、利尿・利胆薬として脚気や腎炎、浮腫、肝炎、腎結石、胆石、高血圧、糖尿病などに応用されています。
このように症例を上げてみると、体に炎症がある場合(熱が発生しているような場合)に効果があるようです。
そのため、南蛮毛だけでなくとうもろこしにも言えることですが、食が細く冷えもあり、いつも元気がないようなかたは食べ過ぎないように注意しましょう。
南蛮毛の民間的な使い方
欧米では古くから利尿薬として、フランスでは胆汁分泌を促進する薬として知られていました。
日本では腎炎や妊娠時の浮腫に用いられ、一部利尿薬の原料の一つとして製薬会社でも取り扱われています。
薬膳八百屋では15g300円からご用意
南蛮毛は「とうもろこしのヒゲ茶」として輸入食材屋さんなどで手軽に買えるようになりましたが、当店でも取り扱いをしています。
当店の取り扱い生薬は漢方薬の材料として品質やカットの仕方にこだわり、農薬検査などを全てクリアしたものを仕入れています。
薬膳八百屋では15g300円からご用意。ティーカップで約10〜15杯分お楽しみいただけます。
ぜひ「本物」の南蛮毛をお試しください。
テイクアウトオリジナル薬膳茶では「とうもろこしベース」もご用意
テイクアウトで一杯500円からお楽しみいただいている「オリジナル薬膳茶」。
「毎日イライラ、すぐ怒鳴っちゃう」というかた向けのベースの茶葉としてとうもろこし茶を使用しています。
この「オリジナル薬膳茶」はベースの茶葉+生薬2つでブレンドしてすぐ飲める、というお手軽さが魅力です。
しかもスタッフは全員医療従事者の資格を持っており、簡単な健康相談もできます。
薬膳茶は「苦そう」「おいしくなさそう」「高額そう…」という先入観は払拭されること間違いなしです!
「家でお茶は淹れないかな…」というかたはぜひこちらをご利用ください。
イベント情報
6/11(土)「蘇葉であそぶ会」開催しました

6/26(日)第65回つまづかない漢方講座「桂枝去桂枝加白朮茯苓湯」作ります
なにやら漢字がたくさん並び呪文のような方剤ですね。
夏至のテーマに合わせた、水分代謝を上げるこの漢方薬ですが「けいしきょけいしかびゃくじゅつぶくりょうとう」と読み、桂枝湯から主人公の桂枝を抜いて白朮と茯苓という生薬を追加して作ります。
例えて言うならハンバーガー屋さんで「ベーコンレタスバーガー、ベーコンとレタス抜きで、ピクルス追加でお願いします!」と言っているようなものです…。
なぜ「白朮茯苓湯」ではダメだったのでしょうね?
そのあたりもご紹介しながら一つ一つの材料を順番に入れて煎じて飲んでみましょう!
お申し込みはLINEより「今月のつま漢参加します」とご連絡ください!
おまけ:だいこんちゃん日記〜髙橋農園さんの朝採れ野菜販売しました!〜
みなさん、こんにちは!
だいこんちゃんです☆
今月も髙橋農園さんの新鮮なお野菜がたくさん届きました!!
今回は、キャベツ・新玉ねぎ・枝豆・フルティカ(トマト)・インゲン・サニーレタスの6種類です。
サニーレタスは今回もビッグサイズ!みてください!
だいこんちゃんの顔より断然大きいですよ!!!
てんちょは「今回はみやじぶたをサニーレタス巻きかな〜」とよだれを垂らしていました。
だいこんちゃんの注目はトマトです!
トマトってたくさん種類があるの知りませんでした。
今回仕入れた「フルティカ」は糖度が高く甘いのが特徴だそうです。
来月もみなさんにお野菜お届けできるよう、髙橋さんにお願いしました!
またLINEでお知らせしますので、お楽しみにお待ちください♪