
みなさま、こんにちは!
薬膳八百屋ファルマルシェです。
この5月から二十四節気に合わせて月2回「薬膳八百屋新聞」を発信させていただいています。
さて、今回は二十四節気「小満(しょうまん)」。
あらゆる生命が満ちていく時期。太陽の光を浴びて万物がすくすくと成長していく季節です。
それでは今回もこの季節にオススメの養生法をご紹介してまいります!
この記事の目次
小満の養生法:血を増やし情緒を安定させる
前回「立夏」の過ごしかたでは「こまめに熱をさます」ということをお伝えいたしました。
今年は「ラニーニャ現象」が長引き、夏にかけて猛暑や豪雨の予報が出ています。
こまめに熱をさますことは継続しつつ、この時期に起こりやすい「五月病」についても考えてみましょう。
五月病の症状や原因は様々ですが、原因の一つが「血の不足」です。
「血の不足」と聞くと最初に思い浮かぶのは「貧血」でしょうか。
確かに貧血も血の不足が原因ですね。
貧血といえば、顔が青白い・疲れやすい・集中できない・めまい・立ちくらみ、女性の方は月経過多等、ひどい方は日常生活に支障をきたすほどの不調に見舞われます。
貧血ほどでなくても「なんとなく頭がぼーっとする」「動悸がしやすい気がする」といった不調も、実は血の不足が原因かもしれません。
血が不足すると、毛細血管の塊である目や脳はしっかりはたらくことができません。
先ほどお伝えした不調の他に「目が霞む」「最近精神的な不安が続く」「眠りが浅い」「物忘れがひどい」といった状態も血の不足と結びつきます。
目安として「顔色や舌や爪の色が白っぽい」という方は血が不足しているかもしれませんね。
血を増やしてくれる食べ物を積極的にとるようにして養生してまいりましょう。
血を増やし情緒を安定させる食材

青梗菜、あさり、イワシ、牡蠣、豚肉など
今回は「青梗菜」について詳しくご紹介いたします。
青梗菜の薬膳的な効能

青々として色のきれいな青梗菜ですが、実はアブラナ科である白菜の仲間です。
他にもアブラナ科の野菜といえば、キャベツ、ブロッコリー、小松菜、かぶ、水菜など様々なものがありますが「情緒を安定させる効果」を持つものは、青梗菜だけです。
青梗菜の性味
「性味(せいみ)」とは「からだに及ぼす作用」のことで、青梗菜は「平 / 甘」。
体を温めたり冷ましたりなどの温度変化の作用は小さく、補ってくれる食材です。
100g中に鉄はおおよそ1.1mg含まれ、「血を増やす」という効果にも納得です。
その他にも血のめぐりを良くする、動悸、情緒不安定などにも効果が期待できます。
積極的に取り入れていきたいですね。
青梗菜の選び方は?
青梗菜を選ぶ際に注意したいのが①葉の状態②葉の色③茎の状態です。
①葉に幅とツヤがあり
②葉が青々としていて
③茎の長さが短めでふっくらとしている
ものがオススメです。
青梗菜が長持ちする保存方法は?
葉がシャキシャキしているうちに食べてしまいたいですが、量が多い場合はそうもいきません。
長持ちする保存方法も確認しておきましょう。
【冷蔵庫で保存する方法】
冷蔵庫で保存する方法は「湿らせておく」ことが大切です。
キッチンペーパーがある場合は水で濡らし、一株ずつ包み、ポリ袋に入れて保存しましょう。
キッチンペーパーがない場合でも、ドアポケットなどに立てて保管しておくだけでも違います。
【冷凍庫で保存する方法】
下ゆでをしておいても便利ですが、冷凍することで繊維が壊れやすくなるため、カットしたものをそのまま保存袋に入れておいてもOKです。
しかもそのまま調理可能。凍った青梗菜から程よく水分が出て、炒め物も加水することなく使えます。
青梗菜のオススメの調理方法は?
青梗菜は油と相性が良い野菜です。
弱火でなく「強火でサッと!」がオススメ。
アクがないので下ごしらえが不要なのもうれしいですね。
薬膳八百屋では「金ごま油」をご用意。

ぜひ、お好きな食材と一緒に「青梗菜のごま油炒め」を作ってみましょう。
心を養い情緒を安定させる生薬「大棗(たいそう)」
今回は「血を増やし情緒を安定させる」というテーマでお話ししていますが、
そもそも血はどのように作られているかご存知ですか?
中医学(中国伝統医学)では「血」は、
「津液(しんえき:血液以外の体液全般を指す)に肺から新鮮な気が送られ、それが心臓で温められることにより赤く変化した液体」としています。
血の生成には原材料となる適切な食材だけでなく、呼吸と心臓のはたらきも関係していることがわかります。
中医学に限らず東洋医学全般の傾向として「心と体はつながってる」という考え方が基本ですが、【小満の養生法】でもご紹介の通り、脳は毛細血管の塊であり、血が足りているかどうかは精神状態に深い関わりがあります。
血を全身に送り出すのは「心臓」ですが、この精神状態や心臓のはたらき全てをひとくくりにして「心(しん)」と呼ぶことが多いです。
よって表題にある「心を養う」という言葉は、単に心臓の動きなどを指すだけでなく、「精神状態」も養う(=情緒を安定させることにつながる)と考えます。
「心が養われる」ことにより「健康な血を作ること」ができますし、逆に「健康な血を作ること」が「心を養う」ことにもつながるのです。
奈良時代から存在する「滋養」の代表果実「大棗(たいそう)」

さて、前置きが長くなりましたが「心を養い情緒を安定させる」代表果実の一つが「大棗」です。
「なつめ」というドライフルーツとして多くの方に親しまれていますが、実は奈良時代から伝来しており、日本人の歴史に寄り添っています。
大棗の性味・効能
【性味】甘 / 温
【効能】補脾胃・安神・薬性緩和
(脾胃を補い、情緒を安定させ、他の刺激の強い生薬の作用を緩和します)
大棗の基原植物
クロウメモドキ科のナツメ
名前の由来は「夏に芽が出るから」だとか。他にも様々な説があるようです。
また、中国では燻製にしたり砂糖につけて食べることもあるそうです。
大棗の漢方的な使い方
①虚弱体質の感冒に桂枝・生姜などと一緒に用います(桂枝湯)。
②ヒステリーなど不安・興奮を鎮静するのに用います。(甘麦大棗湯)
③他薬の刺激性を緩和させるのに用います。(例えば生姜と一緒に使います)
大棗の民間的な使い方
庭に植えて、果樹として。実は生のままでも食べられ、淡白なリンゴのような味です。
中国では、子供の誕生にあわせて庭に棗(ナツメ)の樹を植え、嫁ぐときに持参する、という風習があるそうです。
また、胃腸が弱く元気がないときには生姜と組み合わせ、お湯を注いで薬膳茶としても◎
薬膳八百屋では20g300円からご用意
薬膳茶や料理に使いやすい刻みタイプの大棗は20g300円からご用意しています。
テイクアウトでご好評いただいているオリジナル薬膳茶でも、「杜仲茶」をベースに選んでいただいた場合は生薬に大棗を加えることができます。
「ドライフルーツとして食べたい!」という方にオススメなのがウイグル地区産の箱入りの大粒なつめです。

1箱に8粒入ってまして、皮がとにかく柔らかく、甘みが強いのが特長。
「ダイエットにドライフルーツを食べているけど物足りない…」という方にも、きっとご満足いただけるでしょう。
新商品「お豆腐屋さんのかたいおからクッキー SOYAde」のご案内
今月ご紹介する新商品は「お豆腐屋さんのかたいおからクッキー」です。

その名も「SOYAde-そやで-」。
なんだか西日本の方言に聞こえる商品名。
仕入れ商品を探している時に思わず名前買いしてしまいました!
製造者は大阪府の株式会社TEN-TWOさんと、納得のネーミング&クオリティです。
「あー、はいはい、おからクッキーね」とすっかり馴染みのあるお菓子ではありますが、
このクッキーのすごいところはおからクッキーであるにも関わらず、とてもしっとりしていること!
「卵・乳・マーガリン・バター不使用」かつ「無添加」にも関わらず、このしっとり感は感動です。
チャック付きパッケージで20枚入り、369円。お値段もリーズナブルですね。
レジ横と、図書コーナーの下段にご用意しています。
試食もできますので、お気軽に店員へお申し付けください。
イベント情報
5/14(土)「金銀花であそぶ会」開催しました

毎月第2金曜日に開催している「生薬であそぶ会」ですが、「金曜日は残業が…」というお客さまの声を頂戴し、今月は第2土曜日に開催してみました。
今回の生薬は「金銀花」。熱を冷ます効果のあるお花の生薬です。
1歳のお子様と一緒にご参加いただいた方もいらっしゃり、いつも以上にアットホームにお過ごしいただいたのではないかと思います。
金銀花を食べたり、お一人おひとりにオリジナルブレンド茶をお作りしたり、鍼の話をしたりと、今回も盛りだくさんな1時間でした。
次回も第2土曜日に行いたいと思います。
6/11(土)19時より「蘇葉(そよう)であそぶ会」を開催します!
ぜひ遊びにいらしてください♪
5/17(火)「朝採れ野菜の販売」&「薬膳調理イベント」開催しました
髙橋農園さんから朝採れ野菜が届きました!
代表の髙橋さんが直接車で納品してくださいました。
今回のラインナップは、葉付き新玉ねぎ、にら、サニーレタス、キャベツ、葉付きニンジンの5種類。
全て無農薬です。
ニンジンの葉の部分やニラはとても香りが高く、キャベツは青々とした葉も甘みがあり柔らかく、「ごちそう感」が満載でした。
薬膳調理イベントは管理栄養士内山みなみさんをお迎えし「お腹を温めて消化促進!の薬膳、新たま&人参のクミン煮」を作っていただきました。
しかも、「ポリ袋調理」という災害時にも使える方法での調理。
お得感が満載でした!
次回のお野菜の入荷、調理イベントは日程を調整中です。
詳細が決まりましたらLINEでお知らせいたします。
ともだち登録もよろしくお願いします!

5/29(日)つまずかない漢方講座「桂枝湯(けいしとう)」開催します

てらす灸庵で毎月第4日曜日にご好評いただいている、代表青木満による漢方講座。
先月からいよいよ傷寒論の読解に入っています。
今回は「桂枝湯(けいしとう)」。葛根湯の親戚です。
「漢方って漢字がたくさんで難しいのよね…」というかた、確かに漢字はたくさんなのですが、以外と「漢字の通り」という漢方も多いのです。
「桂枝湯」も例にもれず、原材料の一つは「桂枝(シナモン)」。
そう聞くと、遠く感じていた漢方も意外に身近に感じられるのではないでしょうか?
傷寒論に登場する漢方はドラッグストアでも比較的手に入れやすいものが多いです。
ぜひ、漢方の仕組みを知って、日常生活に役立てていきましょう!
LINEから「5/29つまずかない漢方講座参加します」とメッセージください。

だいこんちゃん日記〜髙橋農園さんの朝採れ野菜を使ったおばんざいを食べました〜
はぁい!だいこんちゃんです!
髙橋さんが車で元気なお野菜たちをたくさん運んできてくれました!
だいこんちゃん、人参にあんなに大きい葉っぱがついてること、知らなかったです!
びっくりしすぎて写真撮るの忘れちゃいました…ごめんなさい…。
みなみさんのポリ袋調理のおばんざいも美味しかったです!
ポリ袋調理で大切なのはポリ袋の耐熱温度なんだそうです。
みなみさんオススメの袋はイトーヨーカドーやドンキホーテに売ってるそうで、てんちょが「帰りに買って帰るわ!」と張り切っていました!
100円ショップでも耐熱性のポリ袋はあるみたいですよ!
お鍋一つで何品も作れるので、一人暮らしのかたにもオススメ。
袋でまぜまぜしてお湯につけるだけなので、だいこんちゃんでもできました!
「予定が合わなくて行けなかった」ってかたは、だいこんちゃんに聞きにきてくださいね!!